基調講演:微細藻類バイオマス利用の現状と将来動向
四国大学短期大学部 食品化学研究室 教授 西尾 幸郎 氏
<概要>
2010年9月、サンフランシスコのSolazyme社が20,000ガロンの100%藻油燃料を海軍に納入し、さらに15万ガロンの契約を取り付けた。これらの藻油燃料を生産するには200tの微細藻が使用されたと予測される。微細藻によるバイオマスおよびバイオ燃料生産技術開発は、1000トンの微細藻バイオマスのレベルでエネルギー収支と生産コストの削減を課題とする段階に入り始めている。人類が直面する食糧不足、地球温暖化、化石燃料枯渇等の諸問題を微細藻大量栽培技術が解決の展望を示すことができるか、2011年末は微細藻研究の重要な節目となりそうである。
研究状況(解説と研究発表):
1)微細藻類によるバイオ燃料生産
株式会社デンソー 基礎研究所 機能材料部 藻類研究室 藏野 憲秀 氏
<概要>
微細藻類による再生可能エネルギーの生産について紹介する。「高い生産性」「食糧と競合しない」「炭素負荷が低い」等の長所がとりあげられるが、まだまだ課題も多い。現状と将来の展望 について整理する。
2)植物燃料(BDF) への取り組みと今後の展望
大塚倉庫株式会社 常務取締役 澤田 耕三 氏
大塚倉庫四国支店営業課 課長 宮原 良仁 氏
<概要>
改正省エネ法を背景にした物流に係るCO2削減取り組み。食物市場を混乱させないヤトロファの栽培実験経緯、県内での廃食油リサイクルの現状とデメリット、バイオプラスチック等の使用促進を説明する。
3)フォトバイオリアクターの開発プロセス効率化と性能予測法の開発
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 佐藤 徹 氏
<概要>
微細藻類培養用フォトバイオリアクターの効率的開発のため、Flashing light効果を含む光合成モデルと気液二相流解析法を統合した数値計算法を開発した。これにより、最適微細藻類濃度や藻類成長曲線を得ることができる。
4)バイオCCS−CO2分離回収と微細藻類培養のハイブリッドシステム−
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 教授 末包 哲也 氏
<概要>
気候変動の防止には今世紀の後半においてネガティブエミッションの達成が必要との指摘がある。バイオCCSはその方策として期待が寄せられているが、現状ではCO2排出量の削減にすら寄与していないとの指摘もある。バイオCCSの現状と課題について説明する。
5)環境と経済の好循環するまち上勝を目指して
徳島県勝浦郡上勝町役場 産業課 吉積 弘成 氏
<概要>
地域資源である木材を燃料用チップに加工し、温泉施設のボイラー燃料として利用している。化石燃料よりバイオマス燃料へ転換を図った経緯、現状について報告する。
6)植物性バイオマスからの有用性ケミカルスの生産
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 助教 佐々木千鶴 氏
<概要>
木質系、草本系など未利用の植物性バイオマスの国内、徳島県における現状、前処理方法および有用性ケミカルスへの変換方法と研究成果について紹介する。
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